080107 | 鰹節の削り場

080107

ある強靭な兵士を持つ国があった。

ある国は、先鋭を武勇に富んだ者達で固めた。
しかし、どんな豪物でさえ、一たび周りを取り囲まれた瞬間、骨と肉の結合物と化してしまう。

ある国は、先鋭を美女兵士にした。色気に負け、欲を見せると思っていたからだ。
しかし、強靭な兵士達は様々な死闘を繰り広げた上、戦場で股間を反応させる者など誰一人としていず、女とて一人残らず平らげた。

困り果てた他国の皇帝達は、ついに結団し会議に踏み切った。
「なあ、次は君の国が狙われるぞ。早く身支度をして私の国にでもくるがいいさ」
するとその国の皇帝はへらへらと笑いなさる。
「なあにを心配なさる。ひとつ見ててくんなさあ」

そして、彼の国の言われ通り、あの国は君の国に兵士を構えた。
しかし、君の国は何の対処をする気配もなく、皇帝は鼻糞を穿るとそれを丸めて自分の舌にのせた。
その様子を見た密通は頭に血を昇らせ、あの国に現状を伝えた。
「糞、君の国め、目に物見せてやるわ」
そして足早に君の国へ攻めた。と思いきや。
「おじたんたち、なにやってるのお」
道中、4,5才程のまだ舌のつたない女の子達が、小さな顔の小さい口に、小さい指を咥えながら問い掛ける。
「い、いや今から君の国に戦争をしにいくんだよ」
「やめてよおおじたん。きみのくににはあたいのおとうたんおかあたんがいるんだよ。みんなしんじゃうのお」
そう言うと、幼女は大口開けてわんわん泣き出した。流石の兵士達もこれにはたじたじ。その鍛え抜かれた太い腕でまさか舌足らずの子供の世話をすることになるとは。
結局、兵士達は女の子をあやすことでたじたじになり、君の国に兵を動かすことを一旦諦め、疲労の中もと来た道へ鈍足に進んだ。だが、あの国の城に靡いてた旗は、既に君の国に上書きされていた。
「はは、幼形成熟嗜好どもめ。貴様らが幼子に手間を惜しんでいる間にこの城は、君の国が頂いた。大人しく降伏するか、さもなくば草木も生えぬ地で野垂れ死ぬがいいわ」
大にして小なり、まさに発想が生んだ喜劇である。