080512 | 鰹節の削り場

080512

 Ⅰ

 僕が会社の施行でど田舎まで出張し、安い狭いボロいのビジネスホテルが立ち並び、その一つのビルの一室で、特にやることもないので、画面いっぱいに大量の伏線と、ゴジラシリーズに出てきそうな青緑色のコメンテーターが、食べ物をくっちゃくっちゃと音を立て、あまつさえ不愉快であるというのにその大口を開いて、口内の唾液と絡まり合ってどろどろした物をこちらに窺わせながら、恍惚な笑みを浮かべて「おいしーっ」と馬鹿に大きく馬鹿みたいな声で馬鹿にでかい日本語テロップを引き連れながら、僕が今にもテレビを破壊しそうだというのにも気づかずに彼は自前の汚らしい舌をちらつかせて「ほーら、これが僕が食べた美味しい海の幸ですよお」と言わんばかりに、目の前に映るブラウン管いっぱいに彼特製のオートミールを僕に食わせようとしているのか、そんなことはどうでもいいことだが、僕及び視聴者はますます不快になるばかりである。