080515 | 鰹節の削り場

080515

 Ⅳ

「あら坊や、ここがカチンカチンじゃないの」
 ビビン。
 これは僕の勃起の瞬間を擬音化したものだ。無反応を通してきた僕の天狗茸はここぞとばかりにズボンいっぱいにテントを張り出し、あまりのハリの良さに痛みを憶え始めたので早速ジッパーを最大限まで下ろして開放してやると、ソレは勢い良く顔を出し「やあ久しぶりじゃないか」とツヤツヤと血色の良い顔色で僕にビクンと脈打った会釈をした。それに合わせるかのように、僕の胸のひづめ太鼓はどんどんと高くなり、ホテル全体に行き渡っているんじゃないかと思うぐらい大きくなった。
「可愛いのねぇ。ママのおっぱいしゃぶりたいんでしょ」
 ああそうだ。誰がなんと言おうと僕は熟女好きだ。それも熟しすぎることもなく、若過ぎずのギリギリのラインが好みなんだ。ああ確かにどストライクだよ。全く酷いもんだぜ。
「んじゅぷっ……。ほんなにおおひふなっひゃっへ……。まっはふひょうはないほね……じゅっぷじゅっぷ」
 このままでは収まりつかないのでちゃっちゃと済ませようとしたが、五百円入れてないことに、画面には、笑顔で六つの手と九つの乳房を振って愛嬌振りまく栗と栗鼠ちゃんのポーズしか見えず、困ったことに500円硬貨を持ち合わせていなかった。
「じゅぴじゅぱっじゅぶっ……ぷはぁっ。熱い。熱いのいっぱいかけてぇ」
 僕は開きっぱなしだったドアを勢いよく飛び出て壁に体を打ち付ける。だが痛みより先に欲望が股間を一点に込みあがり、札を崩しにフロントまでたばこの自販機を探すが、いくらどのボタンを押してもたばこが出てこない。僕が秒速17連打で押し続けていると、乳臭い幼さが残る風貌の女従業員が見かねた様子で声を掛けた。
「ごめんなさい。自販機でたばこを買うにはタスポっていう」
 と言い掛けた彼女の目に僕の剥き出しのぶっといアカジコウとオニフスベが映ったらしい。彼女は言葉を失い、しばし物言いたげに口をぱくぱくと動かした後、僕がボタン連打に勤しむんでいる背中で、下着までするすると綺麗に脱ぎ落とすと、赤ん坊のような透き通った肌を露にして「抱いてっ」と叫び僕の背中に飛びついて来た。