鰹節の削り場 -3ページ目

銀河

 今日は天気が良い。ケンタウルス座をまじまじと見ることができる。全く持って良い日だ。星は良い。邪心を洗い流してくれる。
 ここ最近、都会では星があまり見られない。別に排気ガスが溜まっているからというわけではないと思うが、明る過ぎるのだ。それにより、星達は自分らよりも強い光を放つそれらに恥じて、姿を見せなくなる。
 悲しいことにこれは事実であり私にとっては非常に耐え難いことだ。星座は古人が残した遺産であり、それによって名付けられた星達は嬉しそうに輝きを増すのだ。これは私の単なる気のせいではなく、確かなことである。彼らは他所に負けじと輝き合うのであって地上で同じような光を生んでもらっては困るのだ。下品極まりない広告光はいつしか街を埋め、新たな発見の芽を拒んでいるかのようだ。
 私はそれが許せなかった。だから、この光で溢れる人間にとって便利な街が非常に憎かった。ここに住んでいる者どもの目は、どれもこれも節穴ばかりで、審美眼を持っていない故、自分らばかりを着飾って大切な物に対する本質を失っているのだ。
 しかし私も幼稚なまでである。死にゆく星々をろくに眺めることもせず、ただ稼ぎのためだと必死に体をいたずき、そして好き勝手に独占欲を撒き散らすのが幸福であるとばかりに考えていた。全くこの街の伝染病はよく広まる。とても嫌らしい病だ。それも純粋無垢だった人まで、金の亡者となってしまう。改めて思うに酷いものである。
 いやあ、それにしても、今日の星はあまりに綺麗過ぎる。そしてそよ風があまりにも良い塩梅に吹いてくる。今日はもしかすると何かあるかもしれないなと、一筋の流星が空を切った。
 高揚感に浸り、朱に染まったスコップを急ぐ手がまた一段と早まった。

080329

創る価値と洗脳がメインの楽しい職場です!
貴方も入りませんか?公●党。

080328

ジャポング国はセックスに関する情報の開示を一切禁止にする法案を発表した。
するとその年の強姦犯罪検挙率は昨年の倍以上に跳ね上がり、中絶率No.1を誇る素晴らしい医療の国へと発展した。

一方はす向かいのソビシア国ではセックスに関する情報の一切の規制をしないという旨を公表する。
街中ではセックスに対しての感情は飽和状態となり、国民は自然とセックスへの道徳心を芽生えさせた。

一方隣のチョン国では、強姦を合法とする法案を提出して、ソビシア国の方針を取り入れようとした。
勿論国民は大賛成で、その年の強姦検挙率を換算すると国民全員が一回は強姦をしているという計算になった。そしていつしか強姦は和姦となり、チョン国からは「強姦」という汚らしい言葉は消え失せ、渡来人も在住者も老人も子供もゲイやホモやレズやエイズも前や後ろを掘り当てられる世界の中でトップを誇る楽しい楽しいOrgy国家となったとさ。

拝啓、ハロルドロイド様

 一年というのは一分にしてみればとても長く感じ、一日にしてもまだ長く感じる。しかし一週間単位でくくると段々一年の本質が見えてきて、それがさほど長いものではないというのを身に感じさせる。
 僕はコメディアンになりたかった。それも最近の話ではないのだ。物好きな僕の親父さん、たまたま白黒のVHSを僕の目の前で再生したんだ。そこにはなんだか縁の目立つ丸眼鏡を掛けた兄さんが、四角い画面の中を右へ左へ駆け巡っているのである。僕は初めてみたその滑稽な男に腹が千切れんばかりに笑い、その反動で涙と涎が溢れてきて、何事かと母親が台所から駆けつけて、僕のことそっちのけで煙草の灰でカーペットを汚す父親の方に憤怒し、思いっきりフックを食らったボクサーよろしく首根っこが通常の3倍ほど伸長していた。僕はその三文劇にも大笑いし、いつしか笑いが自分で抑制できなくなり救急車で運ばれる事態にまで発展したその一連のことを心に残している。
 親父は未だにその話をするとむっと顔をしかめて、カーペットの上のビニールシートに灰を落とす。根に持っているようだ。
 後で自分で調べると、その眼鏡の青年は「ハロルド・ロイド」という喜劇役者であることがわかった。どうやらチャップリンと同列の人間であるらしい。しかし、チャップリンのどんな無声映画を見たとしても、ロイドにはどうしても劣ると勝手に考えていたのだ。
 いつしかそのようなロイドに対する憧れが強くなり、僕は喜劇役者になりたいと心底感じるようになった。小中高とその思いは水風船のように日に日に膨らんでいった。
 そうして僕は二流大学で念願の劇団に入ったのだ。別にテレビになんて映んなくてもいい。ただ、ロイドと同じ、いや、ロイドに一歩でも近づけばいいと、単純にそれだけを思って演劇同好会に入ったんだ。
「ちーす。お、坊ちゃん初顔?」金髪ロン毛の鼻と口にピアスを通し、その二つをチェーンで繋いだいかにも頭の悪そうな男がいち早く僕を迎え出てくれた。
 どうやら金髪の許可が降りたらしく僕は早々同好会内部に入れた。そこでは野生的なペッティング会場と化していた。
 見る限り、男三人ズボンを足元まで下ろし、二人はソファーに腰掛け、聳え立つ桃笠の茸を惜しみも無く見せつけており、その下に女が二人、これまたスキャンティーを下ろして少々小汚い尻を露にしている。二人とも男どもの茸を貪るのに夢中でこちらの様子を伺う気配などこれっぽっちもない。片方の容姿がましな尻に男が一人すがりつき、時折細長く汚らしい肉棒をちらちらとこちらに見せつけ、ピシャンピシャンと両者の腿肉を勢いよく弾く音と愛情表現により溢れ出た蜜の音が混じり、見るにも耐えない野性の交響楽団が繰り広げられている。嫌な臭気だ。言い例えるなら、そう。動物園。上野動物園。
 あまりの汚らしさに僕は汚らしい部室にそのまま嘔吐し、より汚らしいコーディネートをしてしまった。なんだここは、猿を都会に放してはいけないと学校で教わらなかったのか。と頭の中で問いただしているうちに、僕の左斜め横にあった金属ノブのついた壁がキイと開き、一秒後でその壁が薄汚れたドアであることに気づき、二秒後にそれを開いたのが人間の仕業であるということを認識し、三秒後にその人間を確認することに成功。茶色掛かった黒がベースのロングヘアー、二重ながらも妖しい目には魅惑のアイライン。厚くピンク色に濃い唇、上半身は下着一枚つけることなく肩にかけた読売新聞付属の野球タオルのみで、御椀型の整えられた乳房に大豆のようなものが先っぽにちょこんと可愛らしく添えられていた。次に下半身に目が移ったが、肉の良い腰にはちゃんと薄緑色のスキャンティーが穿かれていた。しかし女性の乳房を間近で見るのは初めてだったので、興味深くそれを観察していたところ、その人は缶ビール片手に、少々酔いを見せながらも僕の存在にやっとこさ気づいたようである。
「あんただれ?」と腹から声を出し、右手の缶ビールを唇に寄せ、ぐいと一口。ついでにもう二口。
「ぷはあ。サイコー。ははは」と彼女は突然に笑い出し、少しばかり中身の入った缶ビールをぽいと猿達の方向に投げ捨てた。「いてえな、馬鹿」と言いつつもその行為は止まらない様子であった。
「あのお…。ここ、演劇部…ですよね」
 彼女はがさごそと僕の付近にあった黒いビニール袋を漁りつつ、そーだよぉと気の抜けた返事をした。その間もパァンパァンと遠くから響き、チュバチュバと棒を吸引する音。
「あのお、どうしてみなさん」と言い掛けたところ、彼女は湿気た葉っぱを二枚持ち出し、僕に一枚差し出した。僕は貰ったもののそれがマリファナだというのを薄々感ずき、そっと吐瀉物に破棄した。
「つまんない話は止めて、気持ちいいよ」と彼女は慣れた手つきで紙を使い葉を巻いて、それを口に咥えて僕の目の前で器用に上下に動かす。それは僕に火を要求しているということが火を見るより明らかだった。仕様がなしにパチンコで貰ったオイル残量のすくないライターを二、三回着火する。火がつくと彼女は満足気に肺に煙を溜め、僕の眉間に紫煙を吐く。それを吸い込んだか、辺りが少しくらくらと揺れた。パァンパァン。ジュバジュバ。スーッパスーッパ。
 僕は如何せん演劇というのに夢を持ちすぎたようだ。周りにどんなに地味な部だの言われようと、そんなもの好きなだけ言わせておけと思っていたから、蓋を取ってこの状態では周りから何を言われようとやむを得ない。だからと言ってこんな屑共とロイドを、例え形式上でさえ一緒にしてはならない。僕の心に潜むBigBrotherがそう囁いたのだ。
 そして、僕は、徐に、上着を、脱ぎ、入り口の、前で、火を、つけた。

土下座

 さて、拙者は彼此一時間近く荒土と接吻をするなど激しい情事に身を委ねているところで御座る、というのもほんの気の迷い、詰まらぬ冗談であるが、何故拙者のような然程身分の低くも無い徒士がこうも易々と頭を低くしているのかと申すと、三尺一寸程時間を遡らせて頂くことになる。
 職が無く、ただ身分だけが付き纏っているだけの拙者は、冷風ふきたる余寒の朝に栄えもしない土臭い村をひたすら転々としていた。用心棒として雇ってもらうにも、この骨と皮だけの細身。なんと申せど門前払いである。
 日頃の行いが悪いせいか、はたまた貧乏神が付き纏いなさるのか、その後も様々な屋敷を回るも誰も彼も首を縦には振らなかった。あまりの空腹に目が霞み、頬は痩せ、肌の色は屍に近づき、いつしか村の子供らは拙者を「爪楊枝」と呼ぶようになった。初めは糞餓鬼と当り散らしていたが、もはやそこまでの気力は疾うの昔に失せ、武士であるばかりか、自分の名前ですら記憶し難いこことなる。
 もはや拙者の武士としての名誉もこれまで。何としてでも明日の糧が欲しかった拙者は、やむを得ず、気配のない農家に忍び込んで飯を軽く握り、沢庵一本添えて門を出た矢先、ふらりと右に崩れ、農具を押し倒してしまった。
 耳の良い農民である。今まで人気が居ないと思っていたが、奥から若い男が鼠の如く疾風の速さで駆け付け、一向に農家から遠のく気配のない挙動不審で痩せ細った武士を、襟首をぐいと掴んで、いとも簡単に引き戻された。
 正直首を上げる気力もなかったのだが、好奇心がそれに反して、仕様が無しに百姓どもの顔を拝見させて頂いた。
 若い男女。男はさして器量はよくなく、目は垂れ、鼻も垂れ、吹き出物とははくそで顔を埋め、歯並び悪く所々で口内を覗かせ、その口内からは吐瀉物のような表現し難い口臭を連続的に吐きかけており、それにより拙者の眉は八の字にひん曲がってしまっている。
 対して女の方は、米粒のような小さな鼻に雀ほどの小さい口と、円らな黒目が印象的なまだ幼さが抜けぬ美少女で、どう翻してもこの不細工とは釣り合わぬと内心で笑っていた。
「お前、爪楊枝でないか。何のようだがや」と腐臭を吐きかける。
「なに、たまたま空腹でこのぼろにふらりと入ったまでよ。」
「よくもまあそんな嘘が吐けるね。じゃあこの釜の隙間を説明してもらおうかね」と顔に似合わずこの小娘め、きついことを言う。
「はて、それは貴様らが奥で情事を重ねている隙に鼠小僧が忍び寄って昼飯を頂戴していたのではあるまいか」
 二人ははっと顔を赤らめる。やはりそうか。髪の乱れや身なり、体臭からしてそうではないかと思っていたが。ここまで態度に出ると想像も容易い、と思わずにんまりとしてしまった。
「こ、こいつめ。つけ上がれば抜け抜けと、殺してやる」と倒れた金鍬を持って構えた。
「ほう、百姓の分際で。思い知るがいいわ」と拙者は腰から刀を抜き出した。
 すると百姓ら、本物の刀に驚いたか目が点となっている。ふふふ、こいつは握り飯以外にも報酬があるかもしれない。ふらりふらりと体を左右に揺らしながらも拙者の手の感覚だけは憶えている。それもそのはず、これは名刀まさむね…。
 拙者の視野に映る名刀は既に面影なく、ただそこには粗悪な竹光が、百姓に向かって情け無さそうに構えらているだけであった。
 逃げるには今しかないと思い一目散に駆け出したが、ろくに整備もされていない土地と空腹で小石につまづき、頭を打つ。
 観念し、拙者は泣く泣く百姓如きに頭を低くしているのである。
「けっ、武士もここまで落ちぶれちゃあ形無しだぎゃ」と唾を吐きかける。臭気を放つそれでさえ今は取り払う余裕もなかった。
「武士は食わねど高楊枝じゃなかったっけ?所詮幕府が放った野良犬なんだね」などと暴言を吐き捨て、そればかりでなく小娘は裾をたくし上げて拙者の髷に向けて勢いよく小便を放った。その熱々とし、また生暖かい感触が肌寒さと融合し、屈辱よりもまず興奮を覚え、恥ずかしながら、えっと、その、あの、ぼ、ぼ、勃起をしてしまった。
 かなり溜まっていたのかその後も中々途切れる気配はなく、いっこうに降り注ぐ聖水。それが髷を伝い口元まで降りて来た時に、思わずごくりと飲んでしまった。いやはや、美味。空腹には勝てぬからにして、決して拙者の趣味ではないことを確認しておきたいが、拙者はそれをごくりごくりと喉を鳴らしながら口を潤した。
 しばらくすると小便の勢いは止まり、女は満足気な表情で私を見つめる。それが身分の高い者に対して日頃の鬱憤を晴らしたことによるものか、はたまた排泄による恍惚は知らない。女は体をぶるぶると小刻みに震わせると、今度は桃のように丸い尻を髷に向けた。
「お、おいおい。なにもそこまでやらんとでも」
「いんや、ここまでやらんと気がすまん」と菊の門をこちらに拝ませた。
 拙者は大口で待ち構えた。
 武士は高ねど爪楊枝。

080118

アメリカ弱冠15才。
イギリスに起こされ勇者となる。
周りの欧州達に力を借り、諸国家をいとも簡単に捻り潰す。
金目の物を強奪し、身辺を整えると中ボス、韓国、中国、露西亜、日本を倒す。
高くそびえる黒い城。目指すは北朝鮮討伐。
力は正義なり。

080117

たまに陰毛をちょっきんちょっきんしたくなる衝動に襲われる。
そして案の定陰毛をちょっきんちょっきんする。
すると皮膚に短い陰毛がちょっきんちょっきんと攻めてきて
人前でぼりぼりと股間を掻いてしまう。

080116

女は仮に花の命と例えられる。そして花の命は短いらしい。
花は枯れてからが長い。

080115

おはようと父さん母さんに言って。
食パンをかじりながらテレビに食らいつく。
芸能ニュースじゃくだらない事ばかりだべる。
程よく飽きたところで時間が来て、
無駄に重いドアを開閉する。
勢いよく飛び出したものの、
鍵をちゃんと掛けたか気になり、
戻ってドアノブを左右に反応を見る。
早過ぎもせず遅過ぎもせず
友人達がちらほら見え隠れする頃に登校し、
昨晩のドラマについての意見に同意する。
授業は先生の禿頭がまた薄くなったことばかり気になり、
筆が進むことは無かった。
弁当で仲の良い友人と机をくっつけ、
誰某のアイドルについて冗句を交えて会話する。
どれもこれも無駄な知識ばかりでちっとも有力にはならないが、
時間を潰すには丁度良い話題であった。
そして放課後、何をすることもなくいちはやに教室を抜けると
待ってくれたあの子に脚を並べる。
自転車を右肩になるべくゆっくり押しながら、
彼女は自身の身辺のことについて特にオチも無しに語る。
やがて彼女の家が近づき、
一時的に生き別れとなる。
相変わらず重いドアがギイギイと音を鳴らし
母親は居間でドラマの再放送を見ている。
重いバッグを二階まで持ち上げると、
思わず目を薄める。
暮れない日が眩しくて。
嗚呼こんな素晴らしき世界
はやく滅んでしまえ。

080114

嗚呼おっぱい
嗚呼嗚呼おっぱい
嗚呼おっぱい

童貞心の叫びにより。